私たちは日々お客様に出会い、また次のお客様のお宅へと伺います。一人ひとりのあ客様との出会いが私たちの財産です。
どんなに優れた技術を持っていても、またどんなに素晴らしい製品を作っていても、世の中の人に知っていただかなければ事業は成り立ちません。
私たちは大きな組織ではありませんので、営業専門の担当者はいません。これまで主にお客様のご紹介によりお仕事をいただいてまいりました。それは、お客様が私たちの仕事に共感してくださったからだと思います。
一般的にお客様はその道のプロではありません。しかし、その仕事ぶりで一生懸命にやっているか、それともほどほどにやっているかは必ずお分かりになると思っています。
「よくやっていただいて、ありがとうございました。」とお客様から言葉をかけていただくことがよくあります。決して、ここをああしておきました、というようなことは説明はしていないんですが、なぜかお客様にはご理解いただけるようです。お客様はいろんな業者と接する機会が多いので、常に冷静な目で仕事をご覧になっているんだと思います。
だからこそ、お客様に満足していただき喜んでいただけることは、私たちの良き理解者になっていただけるわけであり、こうしてできる絆が私たちの財産になりました。
一つの組織にとってやりがいとなる事柄は様々です。私たちにとっての仕事のやりがいは、お客様に私たちの仕事を満足していただき、喜んでいただくことです。今の時代、戦後の時期に比べれば日本は豊かになりました。
でも、地域の結びつきがだんだん弱くなって行く中で、地域の方たちとのつながりに加えて、仕事でお世話になった方たちとも仕事を通して共感し合えるということは、本当に幸せなことだと思います。
これからの日本は、経済面での豊かさではなくて心の豊かさを追い求めて行く者が幸せな人生を送って行けるのだと思います。仕事を通じて知りあい、私たちのことを理解していただき、そして絆でつながることができる。こういったことが私たちの仕事のやりがいであり、幸せにつながります。
人生の中で、もしああしていたら、ということがよくあります。住宅の仕事に携わっていてもこれと同様に、あの仕事がいただけていたら、ということがあります。これは規模の大きな仕事、特殊な仕事にかかわらず、1件の仕事が大きな分かれ道になることがあります。「1円を笑う者は、1円になく」という言葉があるように、「1件の仕事を笑う者は1件の仕事に泣く」ことも事実だと思います。ですから、私たちは1件の仕事に魂を込めます。
しかも、一つの仕事の中では必ず解決すべき課題が生まれ、その課題を解決する過程で新たな発見があります。結果として新しい自分と出会うことができます。これは何年同じ仕事をしていても同じことです。ですからこういった面でも、自分を成長させてくれた1件の仕事をありがたく思うのです。
また、私たちにとっては1件の仕事は、お客様との新たな出会いでもあります。新たなお客様との出会いでは、必ず人間的に何らかの勉強になることがあります。なぜなら1人のお客様は私たちとは全く異なる人生経験をなさり、異なる人格をお持ちですですから、出会いをとおして感じることが必ずあります。結果として、自分自身が学び成長して行くことができます。