太陽光発電システムの寿命は20年超。システムの寿命が長くても、雨漏りがしたり、配線ケーブルが紫外線に露出していてはそのメリットを生かせません。きちんとした施工が、太陽光発電システムの性能をしっかりサポートします。
一度設置してしまった太陽光発電システムのメンテナンスは簡単ではありません。設置する時点で丁寧な仕事をしておくことが大切です。そのために、私たちが採用する施工方法は基本にこだわります。
私たちは、架台設置用の支持金具を工事する際に屋根材(瓦、スレート、板金等)に穴を開ける施工方法を回避します。
本来、屋根材は雨漏りを防止するために木造住宅の外部を覆っています。皆さんが屋根の瓦が割れているのを発見された場合、その割れた瓦の差替えをする必要があると即座に判断されると思います。
太陽光発電システムを設置する際、その設置方法にはいろいろな方法がありますが、屋根材に穴を開けて設置金具を固定する方法も存在し広く行われています。ですが、私たちはこうした施工は避けたいと考えています。
この方法は、通常の設置方法では太陽光発電システムを設置できない場合に採用されることが多いと思いますが、慎重に選択することをお勧めいたします。
穴を開けない工法の短所 : 金属板瓦棒葺き及びスレート葺きの場合、設置対象にならない場合があります。
イメージ画像で見る具体例
屋根材の流水部には穴を開けない方が安心です。 |
屋根材に穴を開けた場合は、その穴をシリコーン等のシーリング材で埋めて雨漏りを防ぎます。
シーリング材の種類や使用環境等によって耐用年数は当然異なりますが、一般的なシリコン素材は10年程度とされています。このシーリング材が耐用年数を過ぎた時、本当に雨漏りしないのか?という大きな問題が発生します。
実際に、シーリング材は高温下や紫外線に触れる場所では劣化が早まるとされています。また、大きな地震で建物自体が動くような場合では、亀裂が入る可能性があります。
一方で、太陽電池自体の寿命は数十年とされ、メーカーによっては25年保証を謳っている会社もあります。太陽電池自体が数十年もつのに、その足元が10年程度の寿命では全く心もとないことです。この問題を回避するため、私たちは屋根材に穴を開ける工法は採用しません。あくまでも基本に忠実がよいのではないかと思います。
シーリング材のの耐用年数については以下のように要約できると思います。
一般的なシーリングの耐用年数は10年以上と考えていいです。
しかし、強風が当たる場所、紫外線が強く当たる西日の射す場所、微細な施工不良などによっては、もっと早い段階からシーリングの劣化などが始まる場合も数多く見受けられます。 反対に、完成から15年を経ても、問題のないシーリングも数多くあります。
つまり、シーリングは一様に寿命を特定出来るものではありませんが、一般論を言えば10年持つと言うことです。しかし、どんなに環境が良く、施工状態が良くても20年も劣化もせずに持ち続けると言うことはあり得ないと考え、ときどきの点検は不可欠となります。
建築の世界では、屋根に何かを固定する場合は必ず「垂木」に固定することとされています。
他に屋根の上で固定できる場所は「野地板」があります。
太陽光発電システムの設置架台を固定する支持金具は必ず、野地板か垂木にビス止めすることとされています。
一般的には「野地板」は厚さ12mm。一方、「垂木」は61mm x 45mm。61mmを縦の方向に使えば野地板の5倍の厚さになります。
これが私たちが垂木施工にこだわる理由です。一般的には野地板施工が広く採用されていますが、強度面に加えて雨水の処理の面からも、私たちは垂木施工が太陽光発電システムを設置する際にはベストな方法だと考えています。