太陽光発電は数十年にわたる耐久年数が見込まれているため、いかに長く使い続けることができるか、ということが最大のテーマです。せっかく太陽光発電システムを設置したのに、すぐに屋根を修理することが必要になったり、太陽光発電システムの配線を保護する管が紫外線で劣化したりしては取り返しがつきません。これから設置する方は、いかに太陽光発電システムを長持ちさせるかということにも十分に配慮していただきたいと思います。
私たちは売って、業者を手配して工事を完了しましたという立場はとっていません。せっかく設置していただく太陽光発電システムをいかに長く使っていただくかに主眼を置いています。
そのために私たちは、大きく分けて次に掲げる3つのことに注意を払っています。
海外で太陽光発電システムの設置が話題になっていますが、海外での設置は住宅の屋根に設置することは主流ではありません。海外のメーカーでは屋根に設置する架台を取り扱っていないところが多いのが現状です。
私たちは設置前に調査を兼ねて屋根の上に上がらせていただきますが、この時点で修理なしで設置可能かどうかはすぐに結論を出すことができます。もし修理が必要な場合は、最低でも30年間は維持が可能かどうかを基準に、後で修理が可能かどうかも踏まえて、お客様に状態をご説明いたします。
屋根に設置する場合は、その後の屋根のメンテナンスが極めてしづらくなりますので、メンテナンスができなくなる所はきちんと修理しておかなくてはなりません。そうでないと、せっかく設置した太陽光発電システムをいったん外して屋根を修理した後で、太陽光発電システムを設置しなおすという手間をかけることになります。
特に新築後の年数が経過している場合は一度専門の業者に状態を確認してもらうことを、お勧めします。
太陽光発電システムを設置する際にシーリング材は大変便利です。雨漏りが心配なところに使います。ですが、この便利なシーリング材に頼り切ってはいけないと思います。
シーリング材に頼り切る工事とは、以下のようなことと考えています。
屋根材に穴を開けてシステム設置用の金具をとりつけたあと、そのままでは雨漏りりてしまうのでシーリング材を瓦の穴に充填する。
屋根材をきちんと加工できないために、加工の不具合をシーリング材で処置する。
雨水が流れる部分にビスを打ち込んで金具を設置してしまい、シーリング材でビスで開けた穴を充填する。(右はイメージ画像ですが、金具の周りの黒の部分がシーリング材とお考えください。)
私たちはこのシーリング材に頼りきるような工事はしません。屋根材の性能を100%発揮する工事を心がけています。なぜなら、シーリング材は紫外線による劣化や経年変化による亀裂等の心配があるからです。事実、シーリング材自体の寿命は10年程度と言われています。もし仮に、シーリング材に頼りきった工事をした場合には、太陽光発電システムがどんどん発電しているぬもかかわらず、シーリング材が劣化することで不具合が生じてしまいます。
ですから、私たちは屋根材が本来持っている防水機能をフルに発揮することで雨漏りを防止し、シーリング材は用心のために屋根材の機能を補完するために使う程度に抑えるべきだと考えています。
建築の世界で、屋根の上にものを固定する場合は垂木に固定する、という鉄則があります。これは、固定するために使う釘やビスを使用することが可能な部材の中では垂木の強度が突出しているからです。他にも野地板という部材もありますが、垂木の10分の1程度の強度しかありません。その強度不足を補うためにたくさんのビスを打ち込めば、狭い面積の中に大量の穴が開き、かえって強度を低下させてしまいます。
ですから、私たちは架台をしっかり固定し、長持ちさせることがシステム全体の耐久年数を上げるよ理解していますので、基本通りに垂木施工にこだわりたいと思います。